日本の企業では1~3%の配当利回りが多くなっています。
そのような日本株の中で、2018年7月時点では、日本たばこ産業(JT)の配当利回りが4.6%を超えています。

JTというとタバコのイメージです。
しかし、医薬品や食品事業も営んでおり、事業を幅広く展開しています。

医薬品については鳥居薬品をグループ会社となっています。
JTが医薬品開発をし、鳥居薬品が販売をするという連携をしています。

食品事業については、下記のような事業展開をしています。
  • テーブルマーク :冷凍食品・パックご飯など。
  • 富士食品    :調味料
  • サンジェルマン :ベーカリー
  • ケイエス冷凍食品:冷凍食品

タバコから始まり、他の事業に展開していくスタイルは、アメリカのフィリップ・モリスに似ています。
ちなみに、シーゲル氏の下記の本によると、1957年から2003年の期間についてS&P500銘柄の中で最も運用成績が良かったのがフィリップ・モリスだそうです。

フィリップ・モリスも食品事業への展開を進めました。
シーゲル氏の著書『株式投資の未来』によると、「食品部門はフィリップ・モリスの売上の40%以上、利益の30%以上を占めている」そうです。


さて、JTは配当利回りの高さは魅力ですが、実際に投資しても大丈夫そうでしょうか?
財務データで確認してみたいと思います。


1.PLデータ

まずは、PLデータです。
JTPL

売上高はやや減少傾向です。
利益も増減を繰り返しており、順調に成長している感じではありません。

決算短信に記載されたセグメント情報を見ると、事業ごとの営業利益は下記のようになっています。
  • 国内たばこ:215,839百万円(38%)
  • 海外たばこ:325,584百万円(57%)
  • 医薬   :  24,094百万円(  4%)
  • 加工食品 :    5,377百万円(  1%)
JTはたばこだけではないとはいっても、営業利益のほとんどはたばこ事業のようです。


2.配当データ

次に、配当データです。
JT配当

配当金は増加しており、2017年12月決算は140円です。
利益が増加していないため、配当性向は上昇を続けています。

100%未満ですが、このまま上昇を続けると配当を継続できない可能性があります。


3.BSデータ

次に、BSデータです。
JTBS

総資産・純資産とも停滞傾向です。
しかし、2017年12月に総資産も純資産もやや増加しています。
その結果、株主資本比率は上昇しています。



4.CFデータ

次に、CFデータです。
JTCF

営業CFはプラス、投資CFはマイナス、財務CFはマイナスという傾向です。
2016年12月決算以降は、投資CFのマイナスが大きくなっています。
どちらの年度も海外事業拡大が原因のようです。
「当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、6,875億円の支出(前年度は633億円の支出)となりました。これは、Natural American Spiritの米国外たばこ事業の取得による支出等があったことによるものです。」
「平成28年12月期 決算短信」、11ページより引用。
「当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、3,526億円の支出(前年度は6,875億円の支出)となりました。これは、フィリピン及びインドネシア等における企業結合に伴う支出及び有形固定資産の取得等があったことによるものです。」
「平成29年12月期 決算短信」、11ページより引用。

投資CFのマイナス要因を見ていると、海外でのたばこ事業を拡大しているようです。
日本での喫煙者が減少しているので、海外に展開しているのでしょうか。
しかし、世界的に喫煙者が減るのであれば、世界展開の投資が失敗するリスクもあります。
この点は心配なところです。



5.まとめ

配当利回りが4.6%を超えており、インカムゲイン狙いには魅力的です。
しかし、たばこ事業が中心であるため、喫煙者数の減少とともに、市場が縮小するリスクがあります。
医薬事業や食品加工事業も展開していますが、割合は小さいです。

投資するのであれば、喫煙者数が世界的にどう推移するかに注意が必要です。




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