私の回りで株式投資をしている人は、それほど多くはありません。
50人に1人くらいの割合でしょうか。

株式投資をはじめるきっかけは人それぞれです。

「知り合いに勧められた」
「ネットの情報を参考に始めた」
「不労所得を得るため」
「一儲けしようとして」


私の場合、最初の理由は「インフレに備えるため」でした。

私が株式投資を考え始めた2012年は民主党政権から自民党政権に交代したときです。
当時、話題となっていたのがインフレターゲットです。

日本の景気が良くなるには、デフレを脱却する必要がある。
そのため、日本銀行が政策目標としてインフレ率を設定するという議論が起こっていました。
そして、2012年12月に自民党政権になり、2013年1月にはインフレターゲットが開始されました。

インフレターゲットが成功するかどうかは賛否両論でした。
中には、インフレをコントロールできなくなり、ハイパーインフレになるという意見もありました。


当時の私は、インフレターゲットに興味がありました。
下記の本を読みながら、本当にインフレになるのかどうかを考えていました。

インフレ目標政策
伊藤 隆敏
日本経済新聞出版社
2013-02-26








このような議論を見聞きしていると、資産全額を預金しておくリスクを感じました。
インフレが起きると、現金の価値は低下するので、折角貯めた預金も意味がなくなってしまいます。
しかし、株価はインフレとともに値上がりしやすいので、インフレが起きても大丈夫です。


そんなことを考えて、預金の一部をネット証券に入金し、日本株を購入しました。
2018年時点ではハイパーインフレは発生していませんし、むしろインフレ目標値に届いておらず、日銀も困っているような感じがあります。

下記は、日本のインフレ率の推移です。
(※IMFのWorld Economic Outlook Database, April 2018より筆者作成)
日本のインフレ率

2000年代はマイナス(デフレ)の年も多く、低い水準で推移しています。
この水準を見ていると、インフレへの懸念も小さくなり、インフレ対策という当初の投資目的は割合が小さくなってきました。
現在の投資目的は、「インカムゲインでの不労所得増加」と「給与以外の収入源多様化」が中心です。
しかし、上記の目的のために投資をしている結果、現金保有の割合が小さくなっており、インフレリスクに対する安心感はあります。

投資するリスクは重要ですが、投資しないリスクも重要です。
インフレターゲットの話題も少なくなりましたが、改めて伊藤隆敏氏と吉川洋氏の本を読んでみるのも良いかもしれません。


スポンサードリンク