マクロ経済学を資産運用に活用しようということで、下記の本を読んでみました。

マンキュー マクロ経済学I入門篇(第4版)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2017-11-10


上の画像は2017年に出版された最新の第4版ですが、私は2003年に出版された第2版を読んでいます。


1.インフレと資産の関係

以前の記事でもご紹介しましたが、私が資産運用を始めたのはインフレ対策でした。

インフレが起きると円の価値は下がります。
今まで10円で買えていたお菓子が、20円になってしまいます。
物価が2倍になると、銀行預金100万円で買えるものも半分になってしまいます。

私が株式投資を始めるまでは、所有資産のすべてが預金でした。
そのため、インフレターゲットなどのニュースを見ていると不安になってきたので、投資を始めました。


インフレになると円の価値は下がります。
しかし、インフレになるとモノの値段が上がりますので、株の値段も上がります。
そのため、株はインフレに強い資産なのです。


もしかすると、適度なインフレが起きている国の株価は上がりやすく、デフレが起きている国の株価は下がりやすいかもしれません。
ということは、インフレ率の動向を予想することは、どの国のETFを購入するかの参考になりそうです。


2.貨幣数量方程式

マクロ経済学には、物価と貨幣の関係を示した貨幣数量方程式というものがあります。

M × V = P × T

M:貨幣
V:流通速度
P:価格
T:取引数


貨幣数量方程式は、貨幣の金額(左辺)と取引の金額(右辺)が一致することを表しています。
1万円札が5回使用されたということは、1万円の商品が5回取引されたということです。



さらに、生産量が多くなれば取引数も多くなるという関係がありそうです。
ですので、取引数Tを総生産Yに置き換えてみます。

M × V = P × Y



ここで、流通速度Vは一定と仮定します。
また、生産量Yも生産能力が変化しなければ一定です。
そうすると、物価Pは貨幣Mの量によって変化することになります。
これを貨幣数量説と言います。
「貨幣数量説は、マネーサプライを管理する中央銀行が、インフレ率に関しても最終的なコントロール能力をもっていると主張するのである。中央銀行がマネーサプライを安定的に保ってさえいれば、物価水準は安定する。中央銀行がマネーサプライを急速に増大させれば、物価水準も急速に高騰してしまう。」
マンキュー(2003).『マクロ経済学(第2版)Ⅰ』, p146より引用
マネーサプライが増大している国では、物価も上昇することになります。
適度なインフレが続くかどうかを考えるうえで、参考になりそうです。


3.日本とアメリカでの貨幣数量説

日本の貨幣増加率とインフレ率の推移をグラフにしてみました。
貨幣増加率は日本銀行のデータを使用し、インフレ率はWorld Economic Outlook Database 2018 Aprilを使用しています。

貨幣増加率とインフレ率_日本

1980年代の貨幣増加率は8%を超えていました。
その後、2000年代までは低下しています。
2010年代になると上昇に転じています。



次に、アメリカの貨幣増加率とインフレ率の推移です。
貨幣増加率はFEDERAL RESERVE BANK of ST. LOUISのデータを使用し、インフレ率はWorld Economic Outlook Database 2018 Aprilを使用しています。

貨幣増加率とインフレ率_アメリカ
1990年代前半までは、貨幣増加率が低下傾向です。
その後、2000年代前半までは上昇を続けていました。
インフレ率は低下傾向です。



4.まとめ

本日ご紹介した貨幣数量説によると、貨幣増加率が上昇すると、インフレ率が上昇します。
中央銀行がお金を刷りすぎると、お金の価値が低くなり、物価が上昇するという流れは感覚的にもわかります。

日本もアメリカも、1980年代は貨幣増加率もインフレ率も高くなっていました。
しかし、1990年代以降は貨幣増加率とインフレ率が低くなっています。

日本では日銀によるETF購入などにより資金供給が増えています。
しかし、目標とする2%のインフレ率は達成できていません。

貨幣数量説のように、単純な関係ではないようですね。





スポンサーリンク