マクロ経済学を資産運用に活用しようということで、下記の本を読んでみました。

マンキュー マクロ経済学I入門篇(第4版)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社
2017-11-10


上の画像は2017年に出版された最新の第4版ですが、私は2003年に出版された第2版を読んでいます。





1.利子率と資産の関係

利子率は運用資産の選定に大きな影響を与えます。
昔の日本では利子率が10%だったこともあり、今よりもすごく高かったです。
そのため、銀行預金をすれば複利効果で資産がどんどん増えていくということが可能でした。
しかし、低金利が続く現在の日本では、銀行預金をしても利子はわずかしかつきません。

利子率が高ければ預金での運用という手段もありです。
しかし、利子率が低くなるのであれば株での運用が相対的に有利になります。
そのため、利子率の動向は株価にも影響を与えそうです。


また、利子率は債券価格にも影響を与えます。
利子率が高くなれば債券価格は低下し、利子率が低くなれば債券価格は上昇します。
もし債券ETFで運用するのであれば利子率を予想することは運用先選定の参考になります。



2.フィッシャー方程式

マクロ経済学には、インフレ率と利子率の関係を示したフィッシャー方程式というものがあります。

i = r + π

i:名目利子率
r:実質利子率
π:インフレ率


インフレ率が高ければ、名目利子率も高くなるという関係があります。
「フィッシャー方程式によれば、インフレ率の1%の上昇は名目利子率の1%の上昇を引き起こす。この、インフレ率と名目利子率との間の1対1の対応関係は、フィッシャー効果と呼ばれている。」
マンキュー(2003).『マクロ経済学(第2版)Ⅰ』, p152より引用
インフレ率が高い国では物価が上がるので、今すぐお金を使ったほうがお得です。
そのため、銀行がお金を集めようと思ったら、利子率を高く設定する必要があります。
インフレ率が5%ならば利子率も5%以上必要です。


3.日本とアメリカでのフィッシャー方程式の関係

実際のデータを使って、日本とアメリカでの関係を調べてみました。
利子率とインフレ率_日本
インフレ率と利子率が同じ動きをしているように見えます。
相関係数は0.82です。
ただし、利子率はゼロ未満にならないため、最近のデータではズレているかもしれません。
日本では物価低迷が続いているため、利子率も低くなっています。
この傾向が変化する見込みは今のところないため、利子率も低水準が続くことが予想されます。



続いて、アメリカのデータです。
利子率とインフレ率_アメリカ
同様に、インフレ率と利子率が同じような動きをしています。
相関係数は0.80です。

近年ではインフレ率も利子率も上昇しています。
そのため、この傾向が続くならば、債券価格の下落に注意したほうがよさそうです。


4.まとめ

インフレ率と名目利子率の関係を示したフィッシャー方程式をご紹介しました。
データを見る限りでは、関係性は強そうです。

フィッシャー方程式は、債券ETFの価格推移を予測するうえで、参考になりそうです。
物価水準が高ければ利子率も高くなり、債券価格は低くなります。
つまり、物価水準が高いうちは購入を控えたほうが良いです。
ただし、物価水準がどのように変動するかはフィッシャー方程式では分からないので、別の理論が必要になりますので、次のテーマにしてみます。




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