私なりの「キャッシュ・フロー計算書の見方」についてご紹介します。

この記事のポイント
  1. キャッシュ・フロー計算書とは、企業の現金の出入りを示している。
  2. 営業CFは、本業での稼ぎが分かる。
  3. 投資CFは、機械購入や工場新設などの投資活動に使った資金の出入りが分かる。
  4. 財務CFは、銀行からの借入や返済の状況が分かる。
  5. 「営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFが継続的にプラスでない」ことが企業の安定性を見るうえで大切。


1.キャッシュ・フロー計算書とは?

キャッシュ・フロー計算書とは、1年間の現金の出入りを示した表です。
省略してCF計算書などと表記することもあります。

キャッシュ・フロー計算書では、企業活動を3つに分けて、現金の出入りを表示しています。
  1. 営業活動によるキャッシュ・フロー
  2. 投資活動によるキャッシュ・フロー
  3. 財務活動によるキャッシュ・フロー


下の表は、株式会社バンダイナムコホールディングスのホームページ上で公開されているキャッシュ・フロー計算書の要約です。
CF

2017年4月から2018年3月の1年間で、営業活動で551億円の現金が入り、投資活動で633億円の現金が出て、財務活動で171億円の現金が出たことを示しています。
決算短信などに記載さ入れているキャッシュ・フロー計算書を見ると、さらに細かな内訳が分かります。
  • 固定資産取得による現金のマイナス額
  • 有価証券取得による現金のマイナス額
  • 固定資産売却による現金のプラス額
  • 長期借入による現金のプラス額
  • 長期借入金返済による現金のマイナス額



2.キャッシュ・フロー計算書でわかること
キャッシュ・フロー計算書を見ると、企業活動が現金の獲得につながっているかを知ることができます。

営業活動キャッシュ・フローは、企業の本業での稼ぎを表しますので、当然プラスが好ましいです。
営業活動キャッシュ・フローがマイナスである企業は、本業での現金獲得ができていないことを示しています。

次に、投資キャッシュ・フローですが、生産設備を更新したり、企業買収を行ったりした場合、現金が出ていくので、マイナスになります。

財務キャッシュ・フローは、借入金をすると現金が入ってくるので、プラスになります。
逆に、借入金を返済すると現金が出ていくので、マイナスになります。



3.長期投資で注意する点
長期的な投資先を探す場合、下記の点を注意する点があります。
  1. 営業CFがプラスか?
  2. 投資CFがマイナスか?
  3. 財務CFが継続的にプラスになっていないか?
営業CFは本業での稼ぎなので、最重要ポイントです。

企業活動をするための設備更新などが必要となるため、投資CFは基本的にマイナスになります。
もし投資CFがマイナスになっていない場合、生産設備の更新等が十分にできていない可能性があります。

大きな投資をする際に、借入を行う場合、財務CFが一時的にプラスになることはあります。
しかし、その後は、借入金の返済により、財務CFのマイナスが続きます。
もし財務CFのプラスが続いている場合は、返済額よりも借入額のほうが経常的に多いことを意味しますので、なぜ借入をしているのかを調べる必要があります。

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