富士フィルムホールディングス株式会社の財務データをご紹介します。


1.PLデータ
まずは、PLデータです。
富士フィルムPL

売上高は、停滞傾向です。
営業利益は2018年3月決算に減少しましたが、経常利益と純利益は増加傾向です。
営業利益が減少した原因は、構造改革などの一時費用と記載されています。
「営業利益は、ドキュメントソリューションで実施した構造改革などの一時費用が発生したことにより、1,307億円(前年同期比24.1%減)となりました。」
「2018年3月期 決算短信」、2ページより引用。
営業利益が減少した割に、経常利益と純利益が増加している要因は、投資有価証券売却損益51,222百万円が計上されたことのようです。




2.配当データ
次に、配当データです。
富士フィルム配当

配当金は、増配傾向で、2018年3月決算では75円となりました。
純利益が増加しているため、配当性向は低下しており、23%となっています。


3.BSデータ
次に、BSデータです。
富士フィルムBS

総資産は停滞傾向またはやや増加傾向です。
純資産はやや減少傾向です。
その結果、株主資本比率も低下傾向で、2018年3月決算では60%になりました。


4.CFデータ
次に、CFデータです。
富士フィルムCF

営業CFは大きくプラス、投資CFはマイナス、財務CFはマイナスとなっております。
本業でお金を稼ぎ、投資や借金返済に回すという理想的な資金繰りと言えるのではないでしょうか。
2018年3月決算では財務CFが大きくマイナスとなっていますが、長期債務の返済と自己株式の取得が原因です。
「財務活動によるキャッシュ・フローは、長期債務の返済及び自己株式の取得などにより、2,590億円の支出となりました。」
「2018年3月 決算短信」、6ページより引用。
財務CFが大きくマイナスとなった割には、BSデータの株主資本比率がそれほど上昇していないのは、長期債務の返済と自己株式の取得を同時に行ったためのようです。
長期債務の返済は財務基盤の安定効果が期待できますし、自己株式の取得は株主還元効果がありますので、どちらも長期投資を考える人からは好意的な印象となるのではないでしょうか。


5.まとめ
売上高が停滞気味で、営業利益が減少している点が気になるところです。
営業利益減少の要因となった構造改革がどのような効果を与えるのかに注目です。
2018年3月決算においては、長期債務の返済と自己株式の取得を行っており、長期投資先として好ましい印象を与えます。


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