日本フェンオールの財務データをご紹介します。


1.PLデータ
まずは、PLデータです。
日本フェンオールPL

売上高・営業利益・経常利益・純利益ともに、2015年12月決算までは増加傾向でした。
しかし、純利益を除いて、2016年12月決算以降は減少傾向となています。

純利益が増加しているのは、投資有価証券売却益と法人税等減少が原因のようです。
「親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の減少、特別退職金の計上はあったものの、投資有価証券売却益の計上、法人税等の減少により1,128百万円(前期比5.2%増)となりました。」
「平成29年12月期 決算短信」、2ページより引用。



2.配当データ
次に、配当データです。
日本フェンオール配当

配当金は増加傾向で、2017年12月決算では55円となっています。
配当性向はやや上昇傾向ですが、30%未満であり、高くない水準です。


3.BSデータ
次に、BSデータです。
日本フェンオールBS

総資産と純資産ともに増加傾向です。
特に、純資産の増加が大きいため、株主資本比率は上昇しており、2017年12月決算で65%程度となっています。


4.CFデータ
次に、CFデータです。
日本フェンオールCF

2015年12月決算以降、営業CFは大きくプラス、投資CFはマイナス、財務CFはマイナスとなっています。
営業CFのプラスに対して、投資CFと財務CFのマイナスが小さいため、フリーCFが大きくプラスとなっています。

2015年12月決算短信を見ると、2014年12月決算では△747百万円であった「売上債権の増減額」が1,043百万円となっています。
これにより、営業CFが大きく増加しています。

「売上債権の増減額」に関係しそうなBSの「受取手形及び売掛金」、「電子記録債権」、「完成工事未収入金」を見てみます。
日本フェンオール流動性資産

2014年12月決算では合計額が6,868百万円でしたが、2015年12月決算では5,827百万円になっています。
そして、「現金及び預金」が3,223百万円から4,003百万円になっています。
つまり、債権が現金化したため、営業CFが大きく増加したようです。




5.まとめ
売上高と営業利益が減少している点が気になります。
配当は増加しており、配当性向は上昇していません。
しかし、配当性向が上昇していないのは、有価証券売却益という特殊要因によるので、
今後の純利益と配当の動きには注意が必要です。

営業CFは大きくプラスになっていますが、売掛金や未収金の現金化によるところが大きいので、
売上高や営業利益が増加しなければ、営業CFの大幅なプラスは継続しないと考えられます。

今後の売上高と営業利益の動向に注目です。

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