
給与以外の所得を増やし、セミリタイアも可能な自由を手に入れるには、資産運用が必要です。
株で運用することで、高い利回りを期待できますが、値下がりのリスクはつきものです。
そのため、業績が安定した企業を探し、できるだけリスクを小さくする対策が必要です。
では、業績が安定した企業を探すには、どうしたらよいでしょうか?
この記事では、企業の財務諸表を使って、業績の安定性が高い企業を探す方法をご紹介します。
この記事のポイント
- 業績が順調であるかを、売上高と利益で確認する。
- 配当金の継続性を、配当性向で確認する。
- 財務基盤の安定性を、総資産と純資産で確認する。
- お金を稼げているかを営業CFで確認する。
- 将来に向けた投資ができているかを投資CFで確認する。
1.業績が順調に伸びているか?
業績が伸びている企業の株価は上昇しやすく、下落しにくいです。
企業の業績は、財務諸表の損益計算書(PL)を見るとわかります。
ポイントは、次の2点です。
- 売上が伸びているか?
- すべての利益が伸びているか?
下のグラフは、バンダイナムコホールディングスのPL情報です。
まずは売上高が伸びているかを確認します。
売上高が伸びているということは、その企業の本業が順調に伸びていることになります。
次に、利益が伸びているかを確認します。
利益には3種類あります。
- 営業利益(本業での利益)
- 経常利益(本業+投資活動での利益)
- 純利益(特殊事項を含めた最終利益)
当然伸びていることが好ましいです。
もし売上高が伸びているのに、営業利益が伸びていないのであれば、事業拡大にコストがかかりすぎている可能性があります。
つまり、本業の利益率が低くなっているので注意が必要です。
バンダイナムコは、売上高も営業利益も伸びているので、この点をクリアしています。
2の経常利益は、本業での利益に加えて、投資活動での利益を加えたものです。
関連会社からの配当などがある場合は、プラスになります。
支払利息などがある場合は、マイナスになります。
バンダイナムコは営業利益と経常利益がほとんど同じですが、営業利益と経常利益が異なる動きをしている場合は、経常利益の内訳を確認する必要があります。
3の純利益は、その年の特殊事項なども含めた最終的な利益です。
訴訟費用があればマイナスになります。
資産を売却したらプラスになります。
特殊事項がなければ、営業利益や経常利益と同じような動きになります。
もし営業利益や経常利益と動きが異なっている場合は、その原因を調べる必要があります。
3種類の利益をご紹介しましたが、すべての利益が伸びていることが理想です。
営業が順調であれば、営業利益が伸びます。
営業も投資も順調であれば、経常利益が伸びます。
純利益は特殊事項によって、増減はするかもしれません。
しかし、営業利益や経常利益が伸びていれば、純利益も伸びていきます。
2.配当金を継続できそうか?
配当利回りの高い株を購入しても、配当金が減少してしまうと利回りは悪化します。
そのため、配当金が継続できそうかを確認する必要があります。
ポイントは、次の2点です。
- 配当金が減少していないか?
- 配当性向が高すぎないか?
下のグラフは、バンダイナムコホールディングスの配当情報です。
配当金が減少しているときもありますが、増加傾向です。
配当性向は、利益の何%を配当に回しているかを示す指標です。
配当性向 = 配当金 ÷ 1株当たり純利益 × 100
配当性向が高すぎると、企業が稼いだ利益のほとんどを配当に回していることになります。
配当が多いとうれしいですが、利益の大部分を配当に回しすぎると、将来の企業活動に向けた投資ができなくなります。
また、企業によっては、配当性向が100%を超えている場合もあります。
その場合、利益以上に配当を出しているので、企業の資産を取り崩していることになります。
配当性向が100%を超えていると、配当金が継続できなくなりますので、注意が必要です。
3.財務基盤は安定しているか?
景気動向によって、一時的に売上高や利益が減少することもありえます。
財務基盤が安定していれば、一時的な利益減少にも耐えることができます。
その結果、株価の下落や、配当金の減少を回避しやすくなります。
ポイントは次の3点です。
- 総資産は伸びているか?
- 純資産は伸びているか?
- 株主資本比率は低下していないか?
下のグラフは、バンダイナムコのBS情報です。
企業が成長すると、資産規模は大きくなっていきます。
そのため、資産額は増加していきます。
また、資産額が伸びると同時に、純資産も伸びていきます。
ただし、借金するだけでも資産額は増加します。
そのため、株主資本比率にも注目する必要があります。
株主資本比率は、企業の資産の何%が株主のものかを示す指標です。
株主資本比率 = 株主資本 ÷ 総資産額
資産額が増加しているのに、株主資本比率が低下している場合、借入金などの負債が増えていることを意味します。
もし株主資本比率が低下しているのであれば、注意が必要です。
4.現金の流れは良いか?
本業でお金を稼ぎ、将来に投資して、事業を拡大していく。
そして、本業での稼ぎを大きくしていく。
このような好循環ができていれば、安定した配当も期待できます。
企業の資金の流れは、キャッシュフロー計算書を見るとわかります。
ポイントは、次の3点です。
- 営業CFはプラスか?
- 投資CFはマイナスか?
- 財務CFが継続的にプラスになっていないか?
営業CFは本業での稼ぎです。
プラスになっていることが基本です。
もしマイナスならば、本業で稼げていないことになります。
投資CFは将来への投資で使っているお金です。
企業は将来に向けて投資をするので、投資CFは通常マイナスです。
財務CFは借入金をすると現金が増えるのでプラスになります。
そして、返済をするとマイナスになります。
もし財務CFが継続的にプラスである場合、返済額よりも借入額のほうが多くなっている可能性があります。
5.まとめ
以上のように、BS、PL、CF、配当の情報を見ることで、企業の業績を知ることができます。
これをすればリスクがゼロになるということはありませんが、リスクを下げることはできます。
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