日本の大手自動車メーカーである日産自動車。
2018年6月13日時点では、株価1,104.5円に対して、配当金が57円。
計算すると、配当利回りが5.16%とかなり高くなっています。

インカムゲイン狙いの資産運用では、配当利回りの高さは一番の注目点です。
しかし、投資においしい話はなかなかありません。
「配当利回りが高いということは、何か不安な点があるのでは?」と考えてしまします。

ということで、日産自動車の財務データを見ていきます。
果たして、高い配当利回りに飛びついてもの良さそうでしょうか・・・?


1.PLデータ

まずは、PLデータです。
日産自動車PL

売上高は増加傾向でしたが、2017年3月決算以降は伸び悩んでいます。
営業利益と経常利益は、売上高と同じような動きをしています。
しかし、純利益は増加を続けています。

2018年3月決算に純利益が増加しているのは、法人税等の減少が要因のようです。
「親会社株主に帰属する当期純利益は7,469億円となり、米国税制改革法による法人税等の減少により、前年度に対して834億円(12.6%)の増益となりました。」
「平成30年3月期 決算短信」、2ページより引用。
2017年3月決算に純利益が増加しているのは、「関係会社株式売却益」が111,502百万円計上されている
ことが要因のようです。


2018年3月決算も、2017年3月決算も、特殊要因による純利益の増加です。
利益の継続性には、注意が必要です。


2.配当データ

次に、配当データです。
日産自動車配当

配当金は増加を続けており、2018年3月決算では53円です。
純利益が伸びているため、配当性向は低下傾向です。
2018年3月決算での配当性向は28%ですので、まだ増配の余地はありそうです。

ちなみに、株主優待制度も設けられております。
株主の紹介で新車を購入した場合、株主には5,000円のJCBギフトカード、購入者には5,000円相当のカタログギフトがもらえます。
新車購入が条件なので、ハードルは高いです。


3.BSデータ

次に、BSデータです。
日産自動車BS

総資産は増加傾向ですが、純資産は停滞しています。
その結果、株主資本比率が低下しています。

2017年3月の決算短信を見ると、借入金が増加しているようです。
資産は増えているけれど、利益剰余金が増えているのではなく、借入金により膨らんでいるようです。
2018年3月の決算短信を見ると、借入金が減少しているため、株主資本比率も上昇しています。


4.CFデータ

次に、CFデータです。
日産自動車CF

営業CFはプラス、投資CFは大きくマイナス、財務CFはプラスです。
本業でお金を稼いでいますが、投資に使うお金が多すぎるため、不足分のために借入をしているようです。
フリーキャッシュフローも毎年マイナスになっています。

財務CFが常にプラスになっている点は気になります。
投資CFを超えるくらいの営業CFがあればよいのですが、借入金に頼る状況になっています。


5.まとめ

純利益は増加しておりますが、その原因は減税などの特殊要因によるところが大きいです。
肝心の営業利益は減少傾向です。

配当金は増加しており、配当性向は低いです。
ただし、配当性向が低い要因は、特殊要因に基づく純利益の増加です。
特殊要因がなくなった場合、配当性向が一気に上昇する可能性もあります。

長期的に安定した配当を期待するには、営業利益が増加に転じてほしいところです。
営業利益の増加は、借入金の減少にもつなりますので、財務的な安定性も期待できます。

しばらくは、売上高と営業利益の動向に注目する必要があります。


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